着付師の助手の仕事

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着付師の助手(アシスタント)は、限られた時間の中で手早く綺麗に着付けて差し上げるために、お客様の着替えのお手伝いや、着付け小物を準備したり、お荷物を間違いなくおまとめしたり、時に着付師の指示を得ながら着せつけのお手伝いをするという、とても大事な役割を担います。着付師になりたい方にとっては、色々な勉強をすることができる場でもあります。

着付師になるには、人への着せ付けの勉強をして、アシスタントから経験を積んでいく必要があります。習いたて(看板取りたて)そこそこの腕前で、いきなり見ず知らずのお客様に着せ付けるのは無謀なことです。お友達などに着せつけをしてあげながら練習を積んでも、いざお客様に着付けるとなると緊張もあることでしょう。実際、お客様のお持ちになるお着物・着付け小物はさまざま。体型も個性もさまざま。どんなものをお持ちになるかもわかりません。それでもご希望にあわせて着付けて差し上げなければいけません。
着せ付けには大きな責任を伴います。せっかくご依頼いただいた着付けで、お客様に迷惑をかけることになることは絶対に許されませんし、プロの仕事として受けるのであれば、お客様に似合う、TPOにあった、美しい着せつけをして差し上げなければいけません。

当ページでは、サークル主催者の出身教室である「大久保朝子着付教室」が請け負っている成人式の当日のアシスタントの仕事(役割)を、参考としてご紹介します。成人式当日は、助手の人たちも、自分が出来る範囲で、できることを役割分担しながら、責任もって動いています。この動きがあるからこそ当日の200名近いお客様を時間通りに仕上げる着付けが成功しています。

着付師を目指す方、助手に興味のある方のご参考になれば幸いです。

■お客様お迎え
お客様をお迎え(お祝いのごあいさつ)をし、お名前と荷物を確認する(脱いだ靴を回収)

足袋をはかせ、肌着を着せる(脱いだ服を袋に入れる)

補正のできる助手は補正を。できない助手は着付師に回す。

■補正補助から長襦袢まで
体型にあわせ補正タオルをあて、紐をかけて抑える。タオルは引っ張りながら、しわがないように。腰周りのタオルは輪を下に。お尻側に当てたタオルは角が出ないように、丸く。

背中のくぼみを確認(深いくぼみがあれば、コットンを入れる:メインに声をかけ確認)。胸側の補正をし、長襦袢をかける。

背中心をあわせ、衿の後ろ開きを決め、衿を前で合わせ、胸下に紐を回す。しわをとり再度衿開きや前後の中心を確認する。

長襦袢を着せ付ける
長襦袢の長さ・衿あきを確認する(丈が長い場合、あげる必要がある。不安があれば着付師に長さがOKか声をかける。丈が長い場合は、あげをします)

着付師が前から伊達締めを回すので、お客様の後ろに立って、背中の皺を脇へよせ、背中にしわが出ないようにする(沢山あまれば脇下でタックをとって収める)。伊達締めを閉めた後、しわが出たら取る。

  • できる人は背中心が曲がっていないか、中心がずれていないか、皺がないか、襟の空き具合はOKか、確認してください。

OKだったら
襦袢に重ね襟をかける(5mm下げてピンでとめる)

お客様の着物を背中側からかけ、袖を通す(袖振りを整える)

■着物 下部分
お客様の背中側から着物を肩にかけ、襦袢の袖を着物の中におさめる(⇒襟は着付師がピンでとめますが、着物が襦袢より1cm位出るように、中心がずれないようにとめる。)
背中の中心で丈を短く上げるようにピンでとめ上げる(仮止め)

お客様の後ろ側でたてひざを付き、両手を、お客様の腿脇にそろえて待機

着付師のリードに従い、お客様の腿あたりで、着物を押さえる。

  • できる人は着物の後ろ丈が丁度良いこと、背中心が曲がっていないこと、たるみ・しわがないこと、前幅を確認する(問題があれば着付師に声をかける)。

腰回りにたるみがあれば、引っ張ってもらうようメインに声をかけ、最終的には手の位置は腰骨上のあたりにあり、両親指で背中側の皺をとりつつ押さえて、腰紐が回ってくるのを待つ。
(腰ひもが来たら、親指でしっかりと、背中側の皺をとるように抑え続ける。)

腰ひもが前に回ったら、メインが前で紐を結びやすいように、前のおはしょりのたるみをあげる。

紐が結び終わったら、親指で取りきれなかったおしり回りのしわがあれば、しっかり脇に寄せてとる。しわをちらす。(メインに確認の声をかける)
仮止めしていたピンをはずし、おはしょりを綺麗に下げる

■着物 上部分
立ち姿勢で、着付師にコーリンを渡せるよう待機(コーリンのゴムの長さを確認・調整しておく)

着付師が左下前コーリンをとめたら、これを受け取り、後ろから右前に回す、と同時に、左下前と右上前のコーリンの止め具部分を(しっかり襟が綺麗に決まるように)押さえ、メインが脇紐を回すのを、背中のしわを親指でとり抑えながら待つ。

前から脇紐がきたら、両手をコーリンから外し、背中の皺を脇へとるようにもっていき抑える。しっかり背中の皺をとること!

次に、後ろのおはしょりを上げ、ピンでとめる。

  • おはしょりの長さは前の上げた長さと揃えるように
  • 下線がまっすぐであるように
  • おはしょりの背中心線とおしりの背中心線をあわせるように


伊達締めが回ってきたら、おはしょりの上げの上部分を抑えられてるように、着付師に指示してあげる。

おはしょりにしわができていたら、しわをとる。おはしょりとおしりラインの背中心がそろっているか、おはしょりの長さが均一にまっすぐ平衡か、確認(調整する)。


■帯の助手1 ひと結びまで
お客様の前に立ち、メインが回した帯の柄止まりを、指示のあった位置で止め(ポイント、脇、など)、帯をしめる位置が下がらないよう、下線をしっかり高い位置で支える

2回目の帯がきたら、幅出しをしながら、後ろに回す。
回しがゆるまないよう、左手は前空きを押さえながら、右手は帯下線でゆるみをしっかり後ろに回し、しっかり握り押さえる。帯の下線を揃えること。(ぐっと下線がまわり、しまるように回す)

着付師がひと結びしたら、三重紐をメインに渡す。
前に回ってきた三重紐を、お客様が苦しくないよう、帯の上で結ぶ。(着物の上で結ばない)

(着付師が帯飾りを完了するまで、お客様の荷物をまとめたり、靴をしまい、草履を出すなど、お帰りに向けた作業をする)

■帯の助手2
着付師が枕の紐を後ろから前に回します。その紐を着物の上でしっかりと結びます。
帯締めも帯幅の真ん中でしっかりと結びます(必要な場合には飾りを)。
三重紐と枕の紐を、帯と伊達締めの間にしっかりと入れ、その上に帯揚げを結びます(必要な場合には飾りを)。
着付師が帯の形を決めている間に前側の最終仕上げ・確認をサポートする。

  • 着物の前幅、丈、上がりは適当か
  • おはしょりにしわがないか、長さがそろってまっすぐか。
  • おくみ線と帯の下線が平行にまっすぐか。
  • 帯揚げ・帯締めの中心が揃っているか。飾り・位置の確認。

■お客様のお見送り
お客様に持って帰っていただくお荷物の中身を確認し(靴が入っているか!)、草履を出して履かせ、バック(とあればショール)を持たせ、送りだす。


以上です。

みなさんからのご提案などもいただきつつ、長く、一緒に楽しく着付の仕事をやっていけたら嬉しいです。

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