自分着つけの手順・着姿のチェックポイント(男女共通)

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このページは、レッスンを通じて着られるようになった方が、自宅で練習する時、思い出し程度の覚書です。初めての方が当ページを見て、手順がわかるものではありません。ご了承ください。(より分かりやすくなるよう少しづつ手直しし、写真を追加していく予定です)

〈仕舞い方:心配ですよね笑〉

  • 着られるようになった方の最後のチェックポイントだけを記載したページはこちらもご参考になれば幸いです。

前日の準備
前日に着物は掛けておきましょう。見えるところで気になる畳み皺がないか確認を。あればアイロンの蒸気(または軽く布を当てながらアイロン)をあてて。

  • 長襦袢半襟はついていますか?
    • 女性は必ず、半襟の中に襟芯を忘れずに入れておきましょう。(着る直前に気付いて縫ったり、芯を差し込むのは大変です)正装を自分で着る場合、重ね襟は着物の襟裏に縫いとめておくと良いでしょう。
  • 小物も確認しておくと安心ですね。

●女性の必要小物


着物・帯・足袋・下着類(裾よけ・肌襦袢・和装用ブラジャー)・浴用タオル2〜3枚くらい(または補正用パット)・長襦袢半襟付)・衿芯・紐4〜5本・伊達〆2本・(あればコーリンベルト)・帯締め帯揚・帯枕・前板・重ね襟・草履・バック・髪飾り(輪ゴム・ピンなど)・和装用クリップ(OR洗濯バサミ)など。
←小物のみ掲載(ご参考)

着る着物の種類にあわあせて以下小物の解説を。

  • 普段着(名古屋帯)の場合: 帯は名古屋帯。重ね襟は不要。
  • 普段着(半幅帯)の場合: 帯は半幅帯。帯枕と重ね襟は不要。(帯締め帯揚も不要ですが、飾りとしてつけたければご用意ください)
  • 正装(袋帯)の場合: 帯は袋帯(正装にあう金糸銀糸の入った名古屋帯でも可)。留袖の場合は扇子を。

●男性の必要小物


着物・足袋・羽織(羽織紐の確認を!)・袴・(腰回りが細身の方は浴用タオル(または補正用パット)・下着類(裾よけ・肌襦袢)と長襦袢半襟付)、または半襦袢・紐2〜3本・角帯・バック・小物(懐中時計・扇子・手ぬぐい)・履物(草履・雪駄・下駄)。

    • 寒ければマフラー、手袋など
  • 普段着の場合:必要に応じて羽織や袴を。
  • 正装の場合:履物は草履か雪駄(下駄はNG)必ず羽織・袴を。

いつも同じ段取りで準備しておくと、準備しながら頭の中でシュミレーションでき、いざ着る時、慌てることなく、落ち着いて着ることができると思いますので、準備は早めに、前日などにしておくのがお勧めです。


当日
着付ける前にヘアセット・アレンジを(女性はお化粧も)済ませましょう(着物にヘアスプレーや化粧がつかないようにするため。)

    • ただし、女性は、口紅だけは着付けが終わってからつけましょう(長襦袢や着物をはおる時、気をつけないと襟元に口紅をつけてしまうことがよくあります。ヘアースタイルは、着物や襟が汚れないようにアップスタイルにする事をお勧めします。)

手を洗い、必要小物を確認します。
着付ける順番に並べて、いつも同じように準備をしておくと、回を重ねるごとに、当日、お出かけ前も、落ち着いて支度できるでしょう。

以下、女性・男性の順で、着付けの手順を書きます。

  • 女性の着付け

肩を回して準備体操。それから足袋と肌着と裾除けを身につける
まず足袋をはき、裾除けを回しつけ、肌着をはおります(左上に重ねます)。

  • 肌着の後ろ襟空きは、長襦袢の襟空きを予定した時、見えてしまわない程度にあいていますか?
  • 裾除けは裾つぼまりになっていますか(上前の裾先がおちていない?)。紐はきつすぎないですか?

肌着の上に補正をつける(浴用タオルまたは補正用パッド)

  • タオル補正は、腰のくぼみにそわせて巻き、体のラインがまっすぐになるようにしましょう。タオルを巻いて、紐でかるく押さえるように(この紐がきついと、後で苦しい原因の1つになります。タオルはしっかり巻き、紐はゆったりと。)。紐は結ばず1〜2回からげる程度に。
  • 肌着も皺を綺麗にとっておくと、襦袢・着物も綺麗に着られます。(皺をとる時、補正がずれないよう注意。ずれたら直せばOK)

着付けは肌に近いもの(紐、伊達締め)ほど緩めに(体に添わせ、軽く押さえるような気持ちで)、重ねていくほどしっかりと押さえる(締める)気持ちで。
逆に、皺については、肌に近いものほどしっかり取ること。
化粧のファンデーションと一緒で、下地がとても大切です(下地がきれいでなければ、いくら上に乗せても、きれに乗っているように見えても、時間がたつと崩れてしまいます。)


長襦袢を着て伊達締めで抑える

  • 襦袢をはおり、背中心と後ろ空きを決めましょう。
    • 体の前で右手は両襟を持ち、左手は背中心を持ちます。ぐーっと左手を下げて、右手で襟を前下方向へひっぱり、中心と後ろ襟空きを決めましょう。
    • 後ろ襟の空き(襟紋)はこぶし1つ分程度。(襟は若いほどつめ、年を重ねるにつれゆったりと。髪型によって、例えば後ろに張ったスタイルなら、少し空き気味でOK。)
  • 右下・左上前にして、襟のラインが胸のトップをおおうように、あわせます。襟あわせは、のどのくぼみでV字(普段着で70度位)が丁度よい角度です。
    • 参考まで:選り合わせの角度は若い方の正装は特に90度に近いV字。年を重ねるごとに〜70度。)

  • 伊達締めは胸上から襟を押さえ、降ろすようにあて、胸下部分を押さえながら、後ろに回します。
    • 上めに締めた後、少し前を下げると綺麗にきまり、かつ楽です。
    • 結ばずに1〜2回からげるだけ、または交差でOK。交差の位置も中央をさけ、脇の方で。
    • 襦袢の伊達締めは、襟がきっちり止まる程度の締め具合に(ほどよく押さえる感覚で。苦しくないように)。ゆるすぎず、でも、きつすぎず(後で苦しいと思った原因の1つがコレであることが良くあります)。
  • シワがあれば、前・背中側とも、脇下へひっぱって、きれいに伸ばし、とりましょう。(サイズが大きくゆとりが出れば、あまり分は脇でタックをとって収めましょう。)


背筋を伸ばして、着姿を確認!Okだったら次へ!


着物をはおり腰ひもをしめる
着物を羽織り、長襦袢の袖を着物の袖におさめましょう。
着物の裾回りを決める

  • 両手で襟先をもち、着物を床すれすれに持ち上げ、まず左上前の前幅を決めます。
    • 丈と幅を決めるとき、手が上がりやすいので注意。裾線は床に水平に。
  • 右下・左上になるよう、手を入れ替え、(左ひじで下前の角を押さ、右手でおなかにあるシワをとり)、「裾つぼまり」になるよう着物をまとい、右手は右腰骨の上で着物の上前の角を押さえます。
    • 着物をしっかり体に巻きつけたかったら、左手をみやつ口から手をいれて左内側の(先ほど左ひじで押さえていた)角をひっぱりましょう。
  • (右手は腰骨の上で着物の上前の角を抑えたまま)左手で腰ひもを拾い、腰ひもの中心をヘソ下にあて、おさえながら腰紐を回し、体の脇で、片方を輪にしっかり結びましょう。
    • 締める位置は、腰骨の上(下腹部;へそ下位の、しめてもそんなに苦しくない所)で、水平か少し後ろ上りに。

確認:着物の「前幅」と「裾つぼまり」

  • 着物のあわせは、襦袢同様、左上前(右下)になっていますか。
  • 前幅は広すぎ/狭すぎではありませんか?
    • 少々の幅直しであれば、右手で上前の角をもち、左手をみやつ口から手を入れて下前の角をもち、引っ張りあいながら、調整を。
    • 大幅に違うようなら、着直したほうがよいでしょう。
  • 裾つぼまりに着れていますか?まずは上前を開いて確認しましょう。
    • 1.内側の下前は左脇でしっかり(7-15cm位)上がっていますか?(下前の脇線が、右足親指の位置にきているのが目安です。着物の身幅が大きく左脇で沢山余ったら折り返しましょう。写真はちょっと大げさに上げています。これはちょっと上がりすぎデス・・・)
    • 2.上前もすこし右あがりに。全体的にすそつぼまりになるように。(上前は5-7cm位。写真はちょっと上がりが足りない感じです)
    • 3.上前の襟先(襟からつながっている右端の角)は、腰紐の下に、直角・水平にまっすぐ出ていますか?(出ていなかったり曲がっていたら引っ張って直せばOK)(写真参照) 
    • 4.下前上前とも、ウェストの腰紐周りに皺があれば、指を入れたり引っ張ったりしながら、上手に散らして、とりましょう。
  • 襟を軽くあわせ、両手をみやつ口から手をいれて、おはしょりを下げて、腰ひもに挟まっていないか。挟まっていたら引き抜いて。腰ひもが緩んだら、締めなおして。
  • 腰紐は指が入るかどうか位に、しっかりきつめにしまっていますか?(腰ひものゆるみが大きな着崩れの原因の1つです。ここはしっかり確認を!)
    • 胃の上は圧迫されて苦しいです。着物が大きい場合、上目(胃の上をさけた、ウェストライン)でしめたほうが、丈とおはしょりの調整がしやすいです(苦しくないように注意してしめてください)。着物が小さい時は逆におはしょりをとれるようになるべく下の方(ヘソ下・腰骨あたり)でしめます。

着物の襟元をきめる

  • 右手でかけ襟、左手で背中心を持って、着物の中心をあわせます。
  • 長襦袢と着物の襟のあわせ具合は、後ろは(襦袢が着物からで見えないように)5mm着物を出し、耳の下では襦袢と着物がぴったり。衿の重なるVの所で人差し指1関節分、襦袢の半襟が見える位が標準です。
  • 右側の襟(下前)から決めましょう。
    • 左脇の内側で、おはしょりの余分を三角に上げ落ちていない状態になるようコーリンまたは紐で止め押さえます。

コーリンがあれば、左脇のウェストライン(肋骨より下)で襟をとめ、コーリンより下の余分を、左脇上に収めます。コーリンがない場合は、あるつもりで指でつまんで、余分を上げます。)

    • 三角に上げずに着ることもできますが、三角に上げることで、ウェスト周りのおはしょり部分のもたつきがなく、着姿がすっきりします。
    • 下前の右脇も、左脇と同様に、余分をしっかりあげておきます。
  • コーリンがあれば左脇から後ろに回し右脇に持ってきてから)左上前の着物の襟を、襦袢の出具合を(耳の下ぴったり、V字に重なる箇所で人差し指1関節分)決め、右ウェストラインでコーリンをとめます(あるいは紐で押さえます。紐は結ばず脇で交差でOK)。
    • 広襟の場合、襟の幅出しは着物の大きさにあわせて(身幅が大きいなら半分、小さいなら幅出しして。)
    • バチ襟の場合、縫い付けられているので、襟幅を決める必要はないはずです。
    • コーリンを止める位置は左右対象・ウエストライン。ゴムはきつすぎないように。後ろの皺をとる。
  • 伊達締めは胸上からおろすようにあてて後ろに回す。前にもってきたら、結ばずに1〜2回からげるだけ、または交差でOK。からげて交差(襦袢の時と同様)。
    • 慣れてきたら、伊達締めを後ろに回す際に脇でタックをとったり、後ろで交差する時に親指をいれて、皺をとるように、伊達締めを回す。
    • ゆるすぎず、きつすぎず。胸下少々高めに回し交差して押さえたら、最後に、前空きを作るように前中央だけを少し下げると楽です。 

確認:

  • 着物の背中側の皺をよくひっぱってとる(両手の親指を身八口に入れて、背中を丸めながら4本指でしわをとるようにひっぱるとスムーズ!)
    • 背中も前側も、下方向と脇下の方へ引っぱって皺を取る。(サイズが大きくゆとりがあれば脇でタックをとって余りを収める。)
  • 襟あきは適当ですか?(後ろはこぶし一つ分)後ろがつまり気味なら、着物をめくった襦袢のお尻の位置で、背中心から脇まで、下にひっぱりましょう。
    • 逆に後ろ衿が開きすぎていたら、まずは襦袢から、襟先を脇後ろに向かって、左右対称の空き具合になるようひっぱり、続いて着物も、伊達締めの下に手をいれ(コーリンがあればそれをつまんで)襟先を引っ張って、衿をつめましょう。
  • 三角にあげたおはしょりがおちていたら、気になるようなら、伊達締めを外し、収め直してください。
  • 長襦袢の襟と着物の襟の「重なり具合」を鏡で見て、左右対称に出ているよう、整えましょう。
  • 背中の背中心は、中心に来ていますか?(腰紐より下の背中心は着物のサイズによって位置が変わるものですので、中心にきていなくても大丈夫です。だて締めより上の襟の背中心は、しっかり中心でなくてはいけません。)


以上を確認し、おはしょりが長かったら(帯下線から人差し指の長さ出る位が目安。最初は短めでOK。後で出して整えると良い。)、余分を上につまみ上げて、伊達締めの下に収めましょう。

  • 伊達締めをめくり上げ、おはしょりの余分を(上前のおくみ線とおはしょりのおくみ線をあわせるように)つまみ上げてて伊達締めの下に入れるように押さえます。(おはしょりは短めになるべく上げておく。帯をしめた、最後の最後に、帯の下線から人差し指の長さ位に、おはしょりの下線を綺麗に下げると、おはしょりが大変綺麗に決まります。)


背筋を伸ばして、着姿を確認!Okだったら次へ!

名古屋帯をしめる
※華会では、お持ちの帯の長さがまちまちであることから、お太鼓柄でも決まりやすい、紐を2本使う、活動・指導する中で編み出した、オリジナルな手順で指導しています。後ろで結んだり、枕の下のあまりを△に畳んで織り上げたり、脇落としをしない独自の手法です。

事前準備とひと巻き目:
肩・首を軽く回してリフレッシュ(再度準備体操)♪
(帯板にゴムがついているタイプは帯を回す前に装着。)

  • タレ先から順に体の幅程度にたたんでおきます。テ先側は、縫い合わせが上・輪が下(自分の体の方)になるように重ねて畳みます。
    • 手先側を半分に折るタイプ(袋名古屋)の場合はタレ先から体の幅一往復畳み、その先(三枚目)から半分の幅に畳みます。
  • テを持ち上げた時、輪が下になっていることを確認しながら、テ先を右手で持ち上げ、右脇→背中→左脇→右前脇に帯を回します。
  • テ先を自分の体の右前脇にあわせ、左手は帯の下線を持ち、下線を締めます。
    • 輪が床の方になるように、回していますか?(逆は葬儀用です)
    • 帯の位置が低くないことを確認しましょう。しっかり左手で帯の下線を下がらないように支えましょう。
    • テを右上に出す長さは、帯の長さによって異なります。長すぎる時は折って調整しましょう。

もう一周、体に回していきます。

  • タレ側を左脇→背中→右脇→正面に、と、体に一巻きします。
    • 名古屋帯は基本的には胴回りに巻く部分は半分程度に折って縫われていますが、折るタイプ(袋名古屋)の場合はテ側を半分に折った状態を保ちながら、巻いて下さい(半分に折って回すタイプの場合、慣れないうちは、たたむ時点でクリップで留めておくのもアリかも)。
  • 左手で帯の下線を握り、右手でテ先を握り、脇をしめる要領で、両手で握った帯を引き合って、下線を回し締めましょう。
    • お太鼓柄の場合、柄が正面の良い位置にくるよう確認し、微調整しましょう。タレが短い場合はテ先を短くしてタレを長くとれるよう、調整しましょう。
    • 帯板にゴムがついていない場合、この2回目の帯の間に帯板を収めます。
    • 体に回した帯の位置は低くありませんか?帯の下線はゆるくありませんか?
    • 横から見た時、帯の下線は、水平か“後ろ上がり”にしめましょう。(年を重ねるにつれ、前下がりにします)

テを後ろに引いて、タレでお太鼓を作る:

  • 右手でタレの輪の下を握って引っ張りつつ、左手で手先を背中側に引き抜きます。
  • 引き抜いたことで出た緩みの分を、右手でタレを、左手でテを握って、帯を引き締め直します。

次に仮紐を使います。

  • タレを左肩に仮にかけ、テは背中の中心で折り下げておきます。
  • 仮紐の中心をテの上にあて、前に回して左脇で大きな蝶結びにします。テを折り上げながら前に戻して、蝶結びの輪に掛けておきます。紐の右脇はタレの下をくぐるようにきて、左脇でしっかり蝶結びにしましょう。
    • 仮紐で押さえられたテを、左から折り上げるのは、縫い線が上・輪が下になるようにするためです。
    • テが、輪が下になって前に回ってこない時は、背中の中心でおり下げた時、ねじれている可能性がありますので確認してみて下さい。

さあ、いよいよ、お太鼓を作っていきます。

  • まず、左肩にかけていたタレを右脇から背中側におろし、そのまま右脇から後ろにひいて、お太鼓を回しやすいように下準備します。
  • タレを胴に回した時の(輪が下で、半分に畳まれた)状態に戻したら、体の右前脇で上に開いている「タレ」を”裏を見るように両手で開き”、自分の体の中央側にかえして、表柄を見る。
  • 柄がきれいに出る位置で、帯幅の中央に「枕」を下からあて、枕裏と身体の間の帯の皺をよく伸ばし、右手で枕の中央をしっかり握り(親指背中側、四本指外側)、背中側に回します。この時肩は上げないように(上げると後ろに回すのがツライです)。
  • 背中に回ってきた枕の左側の紐を、左手の4本指でひろい、親指は帯と枕の背側を一緒に持ち、四本指は枕の腹側を下から支えるようにしっかり握り、預かります。
  • 左手に枕を預けたら、右手を、左手の動きと同様に、4本指で枕の紐をひろい、親指で帯と枕の背をもち、四本指は枕の腹側を下から支えるようにして枕を支え、肩を下げ、両手でしっかりと背中の中心で枕を握ります。(上級になったら、ここで、両手親指で枕の裏にある皺を伸ばしましょう。)
    • 帯が短く、右脇前で枕をタレに合わせられない時は、前では軽くあわせて、背中側で、正面に鏡を見ながら、この枕を握り、枕の背中側の皺を取る作業をしましょう。
  • 鏡でタレがまっすぐ降りていることを確認したら、足を一歩前に出して背中を後ろにそらし、枕が背中にくっつくように、しっかり高めにしょいます。なるべく枕を握ったまま※、背中高くにしょえると良いでしょう。

※肩が上がらなければ、左右同じ高さまで上げたら、前に来た紐を上に上げることで、枕も自然に上がりますから、無理をしなくても大丈夫です。

  • 枕を背中にしょったら、前に来た紐を、前方上方向に高く持ち上げ、枕を改めて高めに、背中にぴったりくっつくよう、しょい直し、枕の紐をきっちり、帯の上線ギリギリラインで、着物の上で締めましょう。
    • ここでの枕の紐のゆるみが崩れの原因の1つですので、締め方が緩かったと思ったら、締め直しましょう。
  • 締めた枕の紐は、帯とだて締めの間に、中心から両脇まで、しっかり下の方へ入れ込みましょう(枕がより背中にくっつき、呼吸も楽になります)。
  • 背中側の枕の下の、帯の余りを(あれば※1)広げ伸ばします(下にひっぱりすぎて、枕が下にずれ落ちたり、曲がったりしないように注意)。沢山余って、お太鼓の下線から出てしまうほどある場合は、三角▼に短く畳上げて下さい。
  • 胴回りに巻いている帯を、背中側で、右手でしっかりしまるように引っ張ります。

※テとタレを背中でねじるだけのやり方の場合は、注1のところで、テを後ろに持ってきたら、そのまま右脇のタレの下をくぐらせて、右脇でしっかりクリップで留めておきます。タレは後ろに回して左脇から前にもっていきます。テとタレが背中で交差するところは、なるべくタレは三つ折りに細くするか、ごろごろしないよう上手く交差させましょう。タレに枕を当てるところからは、左右の表記が逆になる以外、動作は一緒です。


帯揚を枕にかけます。鏡で横からみて、枕に帯揚げがきちんとかかっていることを確認しましょう。※帯揚げを枕に背中側で掛けるのが苦手な方、ここで入れることを忘れがちな方は、先に、利用する帯揚げを枕に紐やゴムでくくりつけておいて、お太鼓を作ってもよいでしょう。

仮紐を背中側にあるタレの内側にあて、太鼓の大きさを決めます。

  • 親指以外の4本指で、タレにあてた仮紐を下から掬うように握り(枕の紐の時と同じ手つき★)、4本指で帯側を、親指で仮紐を押さえ、しっかり帯と仮紐を重ねあわせ持ち、お太鼓の大きさを決めます。
  • お太鼓の大きさは、胴回りの帯の下線より紐1本分程度大きめが基本サイズです。あとは好みや手つきのクセにあわせて調節してください。
    • この時、タレを握ったまま、手が全体的に上がりやすいので注意。タレにたるみがないように、両手を肩から下げて、タレ(お太鼓)の大きさを決めましょう。
    • 鏡を見ながらお太鼓の大きさを調整してお太鼓を作ろうとすると、見ている側にお太鼓がゆがみますので気をつけて。お太鼓の大きさが丁度良いかの確認だけをするようにしましょう。できるだけ姿勢よくまっすぐの姿勢でお太鼓を作りましょう!
  • 両手の人差し指でタレを内側にヒョコンと持ち上げたら、左手を、親指背中側・四本指外側でお太鼓部分の下線にそわせるように背中心部までスライド移動させる。タレの形を固定するように左手でお太鼓部分をしっかり下支えして握ります。
  • 右手を紐からはなし、右手で、上がり切らなかった余分なタレ部分を、下から上にぐーっと持ち上げます。タレは人差し指の長さ分程度出るように残せば良い。
  • タレを持ちあげたら、右手は元のお太鼓の右角の位置に戻って仮紐を★の手つき(4本指で紐をすくい拾い上げ、4本指で帯外側を、親指で帯の裏側(タレ側)をしっかりと重ね握る。
  • 右手でしっかり握ったら、左手を中心部分から左脇の元の位置にスライドさせ、同じように★の手つきで仮紐を拾い、左角部分のお太鼓とタレをしっかり握ります。
  • 両手でしっかり握ったら、人差し指を立て、タレの部分が人差し指の長さになるよう、長さを微調整します。
    • この時点で、初めて鏡を見て、お太鼓の大きさがOKか、これから帯締めで押さえることになる、「お太鼓で上げた部分」の長さが十分か★★、左右から慎重に確認しましょう!! お太鼓が小さかったり大きかったりしたら、初めからやり直しですが、頑張って!繰り返すうちに、鏡がなくても体感覚で綺麗に手際よくお太鼓が作れるようになります!
    • 大きさを見る時に、両角を握っている両手、両肩を下げて、確認しましょう。ついつい両手が上がって、お太鼓にたるみが出ていて、サイズを正確に把握できないことがよくあります。
  • お太鼓の大きさが決まったら、角を握ったまま両肩・両手を下げ、この二本目の仮紐が1本目の仮紐の下にくるように、前へもって行き、右脇の帯の上で、きっちり、きつくしめます。←これが形をしっかり決める最大のポイント!!この仮紐でお太鼓の大きさと下線の形が固定されます!!
    • 二本目の紐は、左脇で掛けておいたテの下を通るはずです。いつの間にか(何度もお太鼓作成をやり直したりしていると)テが落ちていることがあるので気をつけて、必ずテが掛かっていることの確認を!

仮紐づたいに、手先を左から、右へ入れます。

    • お太鼓につながっている「テの根元」を綺麗に伸ばしてからお太鼓の中に差し入れると、テがお太鼓の中に根元から綺麗に収まります。
  • テが、お太鼓の左右から出る長さは、人差し指2関節分まで。どちらかしか出ない時は、まず手先側を出しましょう。
  • テをお太鼓の下線にぴったりそわせるように入れると、形がきれいに決まります。この状態を維持するように、帯締めで押さえると良いでしょう。
    • 帯が短く手先が出ない場合は無理して出そうとしなくてOK。無理に出そうとして引っ張りすぎるとお太鼓の形が崩れるので気をつけて。
    • テが長すぎたら、手先の出る長さを人差し指2関節分にあわせてから、テの根元側を背中側に突っ込むか、折り入れて、テの全体の長さを調節しましょう。

帯締めを手先の上にのせ、前で結ぶ:
帯留で飾る場合には、先に、帯留帯締めに通しておきましょう。

  • 帯締めを、手先の上にのせて手先を押さえるようにお太鼓の中に通して、左右同じ長さにして、着物の襟と同じ左上に合わせて軽くひと結びしたら、以下を確認!
    • 帯締めは、背中側で、お太鼓を作ったとき、人差し指で上げた部分★★を押さえるように、★★を帯締めで押さえていることを、左右、鏡を見ながら確認しましょう。
    • この部分を押さえていれば、仮紐をはずしても、帯は落ちません♪押さえていないと・・・落ちてしまいます(心配な時は仮紐はつけたまま、最後に帯下に隠し入れてしまいましょう。)

帯締めの本結びの手順:
帯締めをしっかり結ぶコツは、一結びしてから数回しごきながらしっかりきつくしめるコト、結び目の中心をツボ!と思ってツボをしっかり押さえながら結ぶコト、の2つ。ツボを押さえれば弛まず、しっかり締まります。さて、

  • 左下にある帯締めで、左側にUの字を作り、ツボに紐を重ねたら、右手の指で、緩まないようツボをしっかり押さえます。
  • 左手を、輪の中にくぐらせ、右にある帯締めを輪の中に引き抜きます。しっかり引いたら、左手の指でツボをしっかり押さえ、右手で、輪につながっている紐を右に引き抜いて、結び目をしっかり締め、本結びの出来上がりです。
  • 帯締めの位置(前の高さ)の基本は、帯幅の半分位の高さ、ツボが体の中心に来るように(若い人は帯幅のちょうど半分、年を重ねるにつれて前を少し下げて、半分より下の高さに。)。

枕の紐、仮紐、帯締め、この3つはしっかりしめて。これら3つのしめ具合(ゆるみ)が帯の着崩れの原因です。着物は腰紐だけはしっかり締めて。(もし最後に緩んでるかも、と思ったら締め直ししましょう。)

  • 帯揚はゆったり綺麗に仕上げましょう。手順は、①胸のあたりで短く折り返して ②「拝み畳」にしてから、③襟と同じに重ねて、ひと結びし、残りの部分を交差したら、結び目の中心をしかり、帯と伊達締めの間に収め、④脇も帯と伊達締めの間にしっかり収める、胸前が左右対称にふっくら仕上がるように(若いほど帯揚げをふっくら見せて)。
    • ①で短くし、拝み畳みにすることで、帯揚げがふっくら綺麗に結べます。


最後に、根付けを飾ってもいいでしょう。

以上が確認できたら仮紐をはずし、鏡の前で最終確認♪

  • 腰紐、枕の紐、帯締めは、しっかり、しまっていますか?
  • 長襦袢と着物の襟のV字と、帯揚げ・帯締めの結びの中心が体の中心でそろっていますか?
    • 長襦袢の襟の出具合も左右対称に出ているか、もう一度確認してみましょう。
  • おはしょりが帯下から出ている長さは5-7cm(人差し指の長さ位)が目安です。上げておいたおはしょりを、帯の下線から均一に出るよう綺麗に下げて、整えましょう。

    • おはしょりと上前のおくみ線がそろっていますか?帯と着物、着物と腰紐の間に手をいれて、おはしよりや着物の皺を伸ばしながら、おくみ線をあわせましょう。

  • 帯揚の見え具合はいかがですか?中心と脇が帯の下に入り、胸前が左右対称にふっくら出ていますか? 
    • 若い人はふっくら多めに(中心と脇を下げて)。年を重ねるにつれて見える部分を全体的に細く少なめに。

  • 帯締めの位置はいかがですか?(若い人は帯幅の中心に。年を重ねるにつれて前を少し下げ、中心より下寄りに)。
    • 帯に皺がよっていたら、帯締めを握り、指の甲で帯を押すように前から後ろに皺を伸ばしましょう。


草履とバックに大判のハンカチをもって(お食事の時、襟もとや帯前、上前を汚さないように)。

  • 着付け直しのため仮紐とピンを持っておくと安心です。
  • 暑い日には扇子やハンドタオルを。
  • 雨の日には草履カバー(雨下駄)、雨コートを。
  • 寒い日は、羽織/道行/道中着/コート、手袋、ショール、マフラーなどを。