予習復習と忘却曲線・・・

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かの有名な「忘却曲線」。受験の時なんかにはよく話題にしましたよね。人間は忘れる動物(忘れることができるのも大切な能力として授かったものですけれど)。
各方面のサイトで改めて調べながら、お稽古にも絡めつつ、理解したことをメモ書きしますね。何かの参考になれば嬉しいです☆


サイトで調べての感想: 

  • 改めて、予習・復習って、すべてのことに共通して、大切なことなんだな。
  • 着付けも、例えれば「自転車に乗れるようになる」のと一緒。つまり「手順」や「理屈」といったことを「頭で理解」しながらも、とにかく忘れないよう「体で覚える(覚えこませる)=習うより慣れろ♪」
  • 頭と体で覚えるその両方が、習った後も着物を着続けるための大切なポイント

忘却曲線に負けない、学習(経験)曲線※を描こう!

経験曲線効果(experience curve effect)とは、経験と効率との間の関係を示す経験則のこと。一般に個人や組織が特定の課題について経験を蓄積するにつれて、より効率的にその課題をこなせるようになることを指す。経験曲線の前身となった概念として学習曲線がある。これは課題を反復してこなした回数が増えるほど、一回ごとに要する労働時間は減少することを表す。(Wikipediaより)

  • 普通に着るだけなら、そんな筋トレみたいに頑張る必要は全くなく、楽しくコーディネートしながら着ればいいんです。時間がかかっても、むしろかけられるなら「かけること」さえ、その時間も楽しんで貰えたらと思います。繰り返すうちに、だんだん、自然と、手際はよくなっていきます。
  • もし手早く着られるようになりたかったら、時間をあけず、集中してお稽古(&できれば自宅等で復習・練習)すれば、みなさんあっという間に着られるようになっています(10年の指導経験で言い切れます)。「慣れ」と「コツ」をつかむだけ。誰でもできるようになります、心配しないで。
  • しわなく、手際よく、カッコよく、「綺麗に着たい!」とか「人に着せる」といったレベルまで上達するには、継続的な、繰り返しの、自主練やお稽古が、欠かせません。
    • 何もしないまま時間がたつと、やっぱり、着せるにも、自分で着るにも、忘れてしまってたり。上手く着れなくなってたり。いつもより時間がかかったり。 ふぅ、これが経験・忘却曲線ですね・・・

学びの場を振り返る:
「学校で1回だけ学習するのでは不十分。予習や復習が大切」ということがよく言われますが、逆に「教室での学習に集中してさえいれば、それで十分」という考え方もあり、どちらが本当なのでしょう。
予習・復習をきちんとしている子のほうが、学習の定着度、いわゆる成績がよいような感じを受ける。けれど、中には、家ではほとんど勉強をしていなくても授業中にしっかり集中しているだけで良い成績をとっている子がいる(ように聞く)のも事実。
後者の子は、何らかの形で、本人は「復習している」という「自覚」はなくても、頭の中でなんとなしに思い出したり、何か復習に近いことが起こっているのか。はたまた記憶定着の訓練をしっかり小さい時にされて、一度で記憶することが習慣化しているのか。

少なくとも、受け身の姿勢だけで聞いている子供が多いときに、教師の一方的な話だけに終始するいわゆる講義型の指導を行ったのでは、エビングハウスの実験(※下記)のように、無意味な内容を暗記させるだけで、学習指導としての効果は少ない。子供が「自らの頭で考える、体験的な活動」を多く取り入れ、理解を深いものにし、1時間の学習時間の中で「復習的な活動」を行わせれば、エビングハウス忘却曲線とは違った「学習効果」を与えることができるだろうし、プロである教師は、指導している全ての子供にそのような学習活動を行わせるような指導法を工夫すべきだろう。

ふむふむ。

あ、私にも答えはないんですが、着物・着付に関して、「復習」という意識の有無はともかく

    • 着物に興味を持つこと・好きになること
    • 沢山着物に触れること
      • 着てみる、着せてみる、お店めぐりしながら手に取る、家で触れる
    • 楽しみながらやること(これはマスト!)

っていう要素・行動がある方は、みなさん、急速に上達しています。無意識の中で、復習に近いことが、起こっているのかも、しれないですね!

華会のお稽古でも気をつけていること:

  • 完成図といったイメージから入る方が入りやすい人もいれば、最初のステップから一つづつ積み上げて身につける方があっている人もいる。
  • 感覚的に覚える人もいれば、論理的に手順を一つ一つ確認して覚える人もいる。

どんなタイプの方にも「学びやすかった」と感じていただけるよう、頑張っているつもりです。
そしてどんなタイプの方にもお稽古の後にお願いしているのは、やはり、とにかく復習!イメージトレーニング(イメトレ!)だけでも、とお話して、お願いしています。みなさん本当に、実際、次のお稽古で覚えている「質と量」が、全然違うんです・・・!

余談:
1.習慣化(知識やスキルの定着)=経験×回数

  • 内容が濃い・インパクトが高い経験をすれば、経験回数は少なくても習慣化しやすい(身に付く)。インパクトはそれほどない経験でも回数をこなせば習慣化できる(身につけられる)という意味。

2.人間の五感(視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚)の中で、日常的に情報量として脳がインプットしている割合は、視覚83%、聴覚11%、嗅覚3.5%、触覚1.5%、味覚1.0%となっており、圧倒的に視覚からの情報量が多いそうですが、やはり視覚以外の感覚も積極的に使った方が効率が良いといえます。
視覚だけにたよらず五感をなるべく働かせ学習することで、効率を何倍にもあげることもできるハズ。

  • 私も本でも色々勉強しました。お店も、色んなお店を、沢山、見て回ります。やはり「勉強」というより、好きだし、楽しいので、自然と手にとってしまう感じ。これが意識しない復習・学習効果になっていた、そして今も、なっている、「どんな形でもいいから、完全には離れない」。これが、すごく大事なような、気がします。

3.直接自分が体験したことの記憶を、心理学では「エピソード記憶」と呼び、1972年にダルヴィングという人が提唱しました。
それに先立って1966年、キリアンという心理学者が「意味記憶」ということを提唱しました。意味や関連性をつけて頭で覚えていく。
エピソード記憶意味記憶にくらべて高度な記憶だとされています。(エピソード記憶は生まれた直後にはなく、3歳頃から発達するようです。そのため、3歳以前に体験したことは記憶していないのがふつう。)

  • 効率よく記憶するために
    • 記憶内容の意味づけ
    • 既得の知識との関連づけ
    • 相互の関連づけ
    • 体験との関連づけ

本題?の忘却曲線と予復習の、詳細に、戻ります・・・

ドイツの心理学者エビングハウス氏の「長期記憶の忘却」に関する実験によると、記憶は20分後におよそ42%を忘れ、1時間後でおよそ56%、9時間後でおよそ64%を忘れ、その後少しゆるやかになり6日後にはおよそ76%を忘れてしまうそうです。

    • 19世紀のドイツの心理学者、ヘルマン・エビングハウス(Ebbinghaus,Hermann,1850〜1909)は、記憶と忘却の時間的関係を測定するために、「子音・母音・子音」の意味のない3文字綴り(「YUK」「MEV」のようなもの)を暗記し、一定時間経過後、どの程度思い出せるかを実験によって調べました。この実験では、無意味な音節を使用しているため、学問などの体系的な知識にそのまま当てはめることができないという批判もありますが、一つの参考として。

この結果をグラフ化したものが、有名な「忘却曲線」。

つまり、完璧に覚えたつもりでも、その後復習をしなければ、1時間もたたないうちに半分以上の内容を忘れ、家に帰った頃には3分の2程度を忘れ、翌日になると4分の1程度しか覚えていない!!?!。。。

  • 「帰宅後に必ず復習」を義務づけないと、学習内容は定着しないということに。。。
  • 復習は学習後なるべく早い時間に行ったほうが効果が高く、また復習の回数は1回だけでなく、複数回行ったほうがより効果があることに。

確かに、過去のみなさんの様子を拝見していても、

  • お稽古が終わった日やお稽古前までに一度でもご自宅などで復習できると本当に良く身に付いている様子。

そこで強くお勧めしたいのが、少しでも覚えていたら、思い切って「お稽古に来る前に、直前でもいいから、復習する=着物をきてお稽古に来る」を目標にして、意識して、頑張ってみて、頂きたい♪  

    • そして、上手く着られなかったところを、次のお稽古の時に質問&ポイントレッスンを受ける♪が最も効率よく、効果的♪ 「習うより慣れろ♪=少しでも着られるようになったら着物姿でお出かけしちゃいましょう☆」

お稽古や復習の、タイミング・ポイントは、「忘れそう・・・」な頃=完全に「忘れてしまう前!」。

忘却曲線を意識した場合の理想論は、最初の復習はその日の夜、もしくは次の日の朝。その次は1週間後、1ヵ月後、3ヵ月後というサイクルで、十分忘れない記憶になるようです。

  • このサイクルのタイミングは自分で探してみたらいいと思います。というのも、忘れる速度は覚えたときのインパクトや集中度などによって変わるからです。例えば、2回目の復習を1週間後にしたときに、ほとんど覚えているようなときは、次回から2回目の復習を2週間後にするなど、サイクルを少し伸ばしてもよいと思います。しかし、復習時期は「忘れるころ」がベストであって、完全に忘れてしまったものは、覚えなおしても最初の時と効果はかわらないようです。ですから、1回目の勉強内容を1ヶ月もなにもしないでおくと、忘れた部分は1から出直しとなる、とされています。つまり、無駄が大きくなるということになります。そして 学習後にほんの数分、大切なポイントだけでかまわないから、復習すると記憶の定着が格段に違い、この記憶の定着の仕方も重要になってきます。

長期記憶にするために 
授業を集中してしっかり受けた人(授業を聞いていない人にはあてはまらない)にとって、「興味を持ったり、流れをつかんで記憶したこと」は中期記憶として脳に保存されるそうです。
繰り返しになりますが、忘却曲線はゆるやかな放物線を描き、中期記憶では、短くて1時間、かなり長くて1ヶ月の間記憶が保たれますが、ほとんどが9時間程度で失われる、そのため、記憶が中期記憶にある間に復習すると長期記憶に残りやすくなる。つまり、一定時間後に再学習を重ねると、記憶から失われる記憶量は大幅に減らすことができる、ということ。

実際、学習し覚えたことを、忘れる前に繰り返し反復することで、忘れる確率は大幅に低くなることが実験によって証明されている。
暗記しては忘れて、また暗記しては忘れて、といった反復練習、この作業を繰り返すことによって、短期記憶を長期記憶へと近づけることができるということ。

  • つまり、せっかく勉強しても、復習をしないと殆どが忘れ去られてしまう。逆に、反復して復習をするとかなりの量が頭に入る、と考えられる。
    • わかりきった事実かもしれないけれど、わかりきった事を常に実行して身につけるのは、難しく、そしてやはり大切だったりする。。。

以上、各方面から収集した情報を基に感想をつけていったので、まとまりなくて本当に申し訳ないのですが・・・とりあえず、以上です。。(そのうち、もう少しまとまるように編集しますね・・・)

何はともあれ、こんなに色々書いてみたけど、ようは、自分らしく楽しみながら身につければいいんです。そんな中で、何かヒントになることがあれば嬉しいです☆

〜oto

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