着物の季節と生地の種類

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(更新中ですが参考になれば幸いです。用語は厳密ではないかもしれませんが一般的で、華会で使っている用語で解説します)

■男女共通の話
着物は季節TPOにあわせて、着物・帯・小物の種類を組み合わせ、その日に着るものを選びます(着物の世界ではTPOを「格」とよびます)。
実はこのコーディネートがだんだん楽しくなって、はまってしまいます。
季節とTPOにあわせるのは洋服と同じです。なじみが薄いために難しそうに感じるかもしれませんが習うより慣れろ、です。少しづつ、着ながら違いを覚えていきましょう。
(着物を着はじめると、あら不思議、感覚的にわかってきますので安心してください。)


季節の楽しみ方
洋服と同じように着物にも冬物・夏物があります。

  • 仕立ての違い(洋服でいう厚手・薄手のようなイメージ)
  • 生地の素材・質感・色合い(あったかそう・涼しそうといったイメージ)
  • 柄(織り・染め・刺繍・絞り・手書き・プリントなどでデザイン)

で季節感を出して、楽しみます。

初めてなら、季節を選ばない柄は心配が少ないですね。一方、少し贅沢ですが、季節感のあるものを、その季節を十分に楽しむために、少し持つのも、いいのかな、とも思います♪
絵柄は季節を少しだけ先取りするのが粋。逆に季節に遅れるのは野暮です。(たとえば2月に咲く梅模様は1月に。浴衣は6月半ばからOK。暑くても9月にいかにも夏の浴衣の生地・柄は感覚的には野暮/NG。)


季節にあわせた着物・仕立ての話:

冬・秋・春(10月〜5月)は、着物では(あわせ)の時期といいます。袷とは生地が2枚あわさった裏地のある着物のことです。年間の中で、一番長く着れ、リサイクルショップでも多く出ていますし、真夏は浴衣で過ごせるので、まずは袷からそろえると良いのでは?
この時期の街着の着物の生地は、裏地のついた、絹の「小紋」「紬」か、化繊(ポリエステルなど)。真冬はウールがあたたかいです。ウールなら単衣(裏地のない一枚仕立て)でもOKで着ていてとてもあたたかいです。(ただしウールは虫食いしやすいので保管の際に注意が必要。洋服と同様のことですが、ウールに虫がついて他の着物をダメにしてしまう危険もゼロではないです。とはいえ、最近は良い防虫剤も市販されていますし、個人的にはウール着物好きです^-^。)

*礼装についてはこちらを参照してください。
*6月と9月は単衣ですが、気候によって、暑いようなら5月下旬と10月初旬は単衣(ひとえ)もアリです。着物の下に着る襦袢や肌着を工夫して着心地の面で涼しさを保つよう工夫されることをオススメします。
冬は洋服のコートと同じで、着物の上に道行(みちゆき)か道中着(どうちゅうぎ)か羽織を着て、首回りにマフラーかショール、長手袋と、下着はヒートテック等、足にはレギンス、レッグウォーマーなどを。(首回りと足回りさえ暖かくすれば本当にあったかです)
 

道行・道中着・羽織の見た目の違い(区別の仕方)は、ざっくり言うと襟の形が違います

  • 道行は四角
  • 道中着は着物のように重ね合わせてV字
  • 羽織は重ならず並行な襟を羽織紐で結び合わせる

道行」「道中着」は冬のコート。室内に入ったら脱ぎます。道行は正装にも。道中着はカジュアルスタイル向き。
羽織」はジャケットのような感覚。着物との色のコーディネートを楽しめます。丈の長いものは室内で脱ぎますが、短ければ外食の席で着たままでもOK。

雨コート」着丈のものと二部式のものとあります。足元は雨下駄か草履にビニールのカバーをつけて。
塵除け」 薄いレース系で、着物や帯のスレや汚れを防げてお洒落感高く、お勧め。

初夏と初秋(6月と9月)は、着物では単衣(ひとえ)の時期といいます。裏地のない1枚仕立てで、生地が透けていない単衣の着物を着ます。街着の生地は、絹の小紋・紬、木綿、ポリなど。(透けた素材でも2枚重ねて仕立てた紗合わせはこの時期でOK) 

盛夏(7月と8月)は薄物(うすもの)といって絹織でといった透ける着物を着ます。盛夏用に仕立てられた麻の着物はとても涼しく着心地は最高です。カジュアルなら自宅で自分で洗える綿か麻の浴衣が便利ですね(大事にしたいものは浴衣であっても、どんな素材でも、やはり呉服屋さんへ出す洗いが一番安心ではありますが・・自己責任ですね)。最近は夏着物?と思うような色柄仕立ての浴衣もあります。夏着物は高価ですので敷居が高く感じるかもしれません。夏着物に見えるような浴衣を選んで夏着物風に楽しむのも今の時代はありだと思います。ちなみに新潟の麻織物「小千谷縮」は高級だがやはり涼しい!と華会で好評。
(もちろん、長襦袢を透かせて楽しむ薄物は贅沢ですが、その高級感と見る人に与える涼感と美しさは目を楽しませてくれる、他の季節にはない楽しみと喜びがありますので、どこかでぜひ見て楽しんでみてもらえたらと思います!)

着物の生地の織り・素材の質感でいえば、
あったかい感じなのは、生地の表面にしぼのある「縮緬」はふんわりとした風合いであったかい感じがします。
織りのしっかりした「」ならどっしりした重みのある感じがあったかそうですし、
織りの目立たないつやっとした光沢のあるタイプの紬や綸子なら涼しげ。
ウール」は素材としてあったかで冬用です。
軽くて柔らかい「木綿」は軽やかな涼しさとふんわりとした温かさがあり、単衣なら春・秋にぴったりです。
夏は「」・「」といった透け感のある織りや「」素材で涼感を演出します。


重ねの色目で季節を表すこともできますが、あまり堅苦しく考えず、現代風に、涼しげな色、温かみある色、など季節に合わせたコーディネートを楽しんだり、個性的なコーディネートや作りたい雰囲気・イメージ・テーマで組み合わせを楽しんでもいいですよね。
      
長襦袢の襟の部分に縫いつける「半襟」でも季節感や洒落感を演出できちゃいます。最初は縫いつけたりがおっくうだったり大変そうに思うかもしれませんが、慣れで実践あるのみなので、ぜひチャレンジしてみてください♪

  • 白いタイプの半襟は割とすぐ汚れが目立ってしまい取り換える頻度が高くなるので、安価な絹ものかポリでもいいと思います。
  • 半襟でも「縮緬」はあったかい感じの風合いなので寒い季節向きです。夏は「絽」の半襟を。
  • 清潔感を出すならやはり白の半襟ですが、最近は色柄豊富に楽しめるものが出ています。柄ものは柄のおかげで縫い付けた皺が案外目立なくていいです。手ぬぐいも代用できます(肌ざわりよく色柄も豊富な綿の手ぬぐいは、普段着にあわせるにはとってもお勧め。使い古しで十分で、実はその方が綺麗に縫い付けられちゃいます!) 着物のおしゃれが楽しくなってきたら是非「半襟」でも遊んでみてください♪

あとは、肌着・下着類、小物類を上手に組み合わせて季節を快適に過ごせるよう工夫しましょう。例えば、

  • 本当は季節は盛夏(7・8月)ではないんだけど、暑いから夏用素材(麻や絽など)の長襦袢で、半襟だけ季節にあったもの(絽ではないもの)にして着用。
  • 夏用の長襦袢を持っていないので普通の長襦袢半襟を「絽」にする(着ている本人は暑いので勧めませんが、、)。
  • 寒い季節は冬用のモスリン(カジュアル向きですが)の襦袢が暖かですが、ヒートテック・腹巻、レギンス・レッグウォーマーを履く、など。

どれも体験を通して、少しづつ学びながら、一緒に楽しみましょう!

着物の格と季節と生地は、おおざっぱですが、格が高い順に

  • 素材: 絹(着物の世界では正絹(しょうけん)と呼びます)、化繊、麻→木綿、ウール 
    • 絹・化繊はオールシーズン、麻は夏、木綿は春秋、ウールは冬用
  • 織り: 羽二重→綸子→お召→縮緬→紬
    • 」(絹糸を先に染めてから織って、織りで柄を出す先染めの着物。織りの着物ともいいます)や「小紋」(白生地に型染め・手書き染めをする後染めの着物。染めの着物。)があり、一般的には着物は「染め」の方が「織り」ものよりも格上。織りの方がよりカジュアルという位置づけになります。(帯は逆に織りが格上)

■女性の普段着

  • 帯は名古屋帯。さらにカジュアルに着るなら半幅帯を。小紋に、金銀系の入った名古屋帯をあわせれば、ちょっとしたお洒落着に。 
  • 帯揚げは縮緬のみカジュアルな街着用(&縮緬はその素材感から寒い季節向き)。縮緬以外(綸子・絞り)ならお洒落着でも街着にもOK。
  • 帯締めは平組・丸組なんでも(ただしあまり金銀系でないもの)。細めがよりカジュアルです。
  • 小物の色合わせは、着物や帯と同系色だと品良くまとまり、反対色になるような色を選ぶとモダンで個性的な印象になります。
  • 半襟・足袋・草履や下駄・バッグは普段着であれば色々遊んでみてもいいでしょう。TPOにあわせて小物をあわせましょう。


■男性の普段着

  • 帯は、絹織りの角帯より木綿の角帯はカジュアルで安価。兵児帯は家着に近いカジュアルさです。角帯のみの着姿を「着流し」といいます。
  • 着物+袴(羽織なしの)姿もカジュアルでオシャレです(縞模様の仙台袴はいかにも正装用ですが、それ以外の特に無地系はカジュアルにきこなせます)。
  • 着物+羽織りは少しおしゃれな感じ。着物+袴+羽織はかなりオシャレしている感じです。
  • 半襟・足袋も色ものをさまざまに合わせてお洒落を楽しんで。履物は草履・下駄を。雪駄なら鼻緒は色物を。

     

  • 女性の「帯揚げ」は、振袖は総絞り、黒留袖は白の綸子、色留袖は色の綸子、準礼装は色柄の綸子・絞り、普段着は色柄の綸子・絞り・縮緬など。(夏は生地が絽になります。)
  • 女性の「帯締めは、振袖は金銀系の色もので、巾の広い平組か丸組、黒留袖は平織りで白の金銀系、色留袖・略礼装は平織りで金銀系、色無地・訪問着・付け下げは色柄で華やかなものならなんでも、普段着は金銀系以外の(細身の)色柄ものならなんでも。(夏は夏組のものを。)
  • 足元は、女性は礼装は金銀系かエナメルの草履(踵が高いほど正装向き)。ちょっとおしゃれ着なら皮やエナメルの草履を。 普段着は金銀系でない草履ならなんでも。男性は雪駄。男女とも下駄はカジュアルな感じです。
  • 足袋は、白の5枚はこぜが正装用。4枚は普段着。最近は普段着用に楽しめる色柄ものも豊富。裏が黒や色のものは汚れが目立ちにくいです(白で汚れが気になる方にはお勧めかも)。足袋ソックスは滑りやすくて歩きにくいですが、最近は心ばかりですが滑り止めゴムが裏についたものもあります(洗うとはがれてしまいやすいので??かも)。


  • 長襦袢の生地は、正装は正絹の白か薄い色。普段着は絹・化繊、冬ならモスリン(ウールの一種)もあたたかいです。夏は麻・絽・紗で涼やかに♪ 普段着の着物なら袖や裾からちらりと見える長襦袢との色・柄合わせも楽しいですし、襦袢の素材を選んで四季を快適に過ごしましょう♪
  • 女性の半襟は、正装は白(場合によって刺繍つき)。すこしお洒落感の強い場面では色の刺繍襟も(振袖は特に)。ふつうは白の塩瀬(つるつる)か縮緬(表面にしぼがある。冬向き)で、素材は洗える化繊でOK。カジュアルなら手ぬぐいもオシャレ。夏は絽。(刺繍のあるものは基本的には正装用です)男性の半襟は黒、茶、グレー、紺など濃い目の色が良いでしょう。おしゃれな刺繍の入ったものもあるようです。

最近はこういったしきたりや決まりのようなもの緩やかで、もっと着物を気軽に楽しみましょう!という流れになっています。全く知らないのではなく、知っていてあえてこの組み合わせ・コーディネートしている、というのは、ありだと思います。

夏はあえて、夏着物のような織り柄の浴衣を選んで、長襦袢を着て絽や博多、つづれなどの帯を絞めて、夏着物のように楽しんでみては? 

時代の変化が顕著に出ているのは女性の振袖と浴衣の着付けです。襟や袖、帯の上にレースを入れたり、ネックレスのようなチェーンをつけたり、本当に自由で、おしゃれと感じることを洋服感覚を取り込んで、何でもやるファッションになっています。 こういったご時世ですから、時には正統派でしっとり、時には(街着や格式のない場面でこそ)いろいろ楽しんでもらえたらと思います。

女性の「帯」のこと

帯は大きく分けて3種類(帯の形状の違いでおおよそ区別できます)。

  • 半幅帯:帯幅が半分。浴衣や街着に締めます
  • 名古屋帯:街着から軽い正装まで幅広く使えます
  • 袋帯:礼装用で、長さが名古屋帯より長く、金銀系の織りで、袋状(表裏の2枚重ね)になっています

夏物以外、帯は、着物の袷・単衣など時期に関係なく通年、共用できます。

普段着の着物と名古屋帯を組み合わせる時に悩んだら「織りの着物に染め帯。染めの着物に織りの帯」を基本としてとらえつつも、あまり気にせず、色柄で組み合わせてみましょう。

半幅帯は、カジュアルな街着や浴衣に使います。半幅には、博多織りや綿素材、最近はポリエステルのものが主流で、両面の色違いを上手に使って結ぶと、何通りもの表情を楽しむことができ、実はアレンジ豊富で奥が深かったりします。最近では浴衣には、昔は子ども用だった兵児帯が大人用にアレンジされて、ふわふわした生地が人気で、流行っています。

*夏の薄物には夏帯(薄物に合わせる紗・絽、つづれ・博多織りの帯)をあわせ、夏用の帯揚げ・帯締めをあわせます。夏帯にももちろん普段着用の名古屋帯と礼装用の袋帯とありますので、着物の格にあわせてください。

*紛らわしいのが「京袋」という帯です。袋帯のように長方形なのですが、長さが短く、名古屋帯として使います(袋帯として使えるものもあります)。ぽっちゃりさんには「京袋」はお勧め♪

女性の帯の区別の仕方

九寸、八寸というのは仕立てる前の帯の幅を表していて、仕立て上がった帯の幅はどちらも八寸(約30センチ)。

  • 九寸帯:仕立てる前の幅が九寸で、帯芯を入れて両端を5分ずつ折って仕立てるので、仕立て上がりが八寸になります。
  • 八寸帯:仕立てる前も帯幅は八寸で、仕立に芯は使わず垂れになる方を約1尺5寸折ってかがり仕立をします(よって仕立てても帯幅は変わらず八寸)。

②帯の柄付けには、お太鼓柄通し柄があり、さらに通し柄の中に全通六通があります。

お太鼓(おたいこ)柄
帯を締めた時、お太鼓にした部分にだけ柄が出るようにできでいます。慣れないうちは、帯を締めた時、きれいにお太鼓の柄を出すのが少しむずかしいようですが慣れてしまえば、お太鼓柄の着物姿は街着らしくもあり、とても素敵です。
通し柄: 六通(ろくつう)柄 と全通(ぜんつう)柄

  • 六通: 全通柄を簡略化したもので、全体の6割に柄がある、胴に巻く部分に柄がないタイプ。
  • 全通: 手先からたれまで帯全体にずっと柄が入っており、六通のものより贅沢な帯ということになります。

*現代の袋帯の多くは六通柄です。

③着物と同様、染め方、織り方、生地、産地の名称・その特徴で、帯を呼ぶことがあります。

など。

金銀糸の入った織りの袋帯が一番格上です。
織りと染の帯を比べると、染め帯の方が柔らかな雰囲気。
織りの帯でも「博多」の名古屋帯はカジュアルになります。

女性のコーディネートのポイント:ぷちアドバイス

  • 1つの着物に帯を替えるだけで印象が変わります。逆に、1つの帯にいろいろな着物をあわせることもできます。
    • 昔は着物1着に帯3本といいました。着物(特に色無地)に合わせる帯の格を変えることで、ある程度TPOに対応できます。
  • 帯揚げ・帯締めがまたアクセントになったり、着物と帯を調和する立役者にもなって、小さいながら重要な役割を果たしてくれます。
    • 帯揚げや帯締めの色選びのヒントは、帯の反対色や、全体を引き締める色または反対色の着物と帯を調和させる色、着物の色柄にある一色を選んで。
  • 半衿と足袋は白が一般的ですが、ときに色ものや柄もので個性的な装いを楽しんでみては?

仕立ててみたいなら、本当は着物よりもまず長襦袢のお仕立てをお勧めします。着心地・着易さが違います! 着物でしたら「木綿」の単衣をお勧めします。値段も手頃で自分で洗えて、春と秋に着られます。袷を仕立てるおしゃれの醍醐味は「八掛」選びです。長襦袢同様、外からはちらりとしか見えないですが、八掛次第で着物の印象がとっても変わるのです(昔は年齢の経過とともに八掛の色を変えて、着続けました)。


洋服同様、季節・気候にあわせ、またクール・知的・ポップ・大人の色気、女性なら清楚・キュート、など
好みや作りたいイメージで小物を組み合わせ、
着物の種類(袷・単衣・夏物・浴衣など)や生地(絹・麻・綿・ウール・化繊など)を選び
基本を押さえた後はぜひ色々なコーディネートを自由に楽しんでください

(以下は男女共通、まめ知識です。お好きな方は引き続きどうぞ)
生地の産地・織り方・染め方などによって、その技法が優れていたり特徴がある着物は、土地名・染の技法・生地の種類で呼んだりします。 焼き物(陶磁器)にも、有田焼・九谷焼萩焼のように土地名で呼びますよね、それと同じ感覚です。

」とは
 もともと真綿(商品にならない繭からつむぎだした糸)を、糸の段階で染めてから(先染め)織り上げ、反物にした、いくら高価なものであっても、普段着の着物でした。最近は後染めの織物もつくられていて紬の訪問着などフォーマルな紬もあるようです。

着物の中でも、紬には、大島・結城・塩沢・十日町小千谷・米沢・牛首・上代、と土地名で呼ばれたり、土地特有の技法から黄八丈・紅花とよばれる、高価なものがあります。

織りの技法で例えば、ひげのように糸が飛び出した独特の味わいがおしゃれな織りの着物を「ひげ紬」と呼びます。

小紋」とは
 小紋は後染めの反物で作られた着物です。染色技法によって、たとえば江戸小紋・紅型・更紗・ろうけつ・絞り・型友禅 (の着物)などと呼び、それぞれ色や柄行などに特徴があります。

 このほか生地の質感や織り、柄の特徴から、綸子(表面がつるつるの反物)・縮緬(表面に細かいしぼがある反物)・お召縮緬の上質のもの)・銘仙(縞や絣柄。薄地で生地が弱い)・(縞々に透けた織りで夏用)・(薄く透けた生地。夏用)・(かすれたような柄がでるように織ってある)・羽二重(良質の撚りのない生糸を用いて織ったふっくらとつやのある肌触りのよい生地/絹織物)(の着物)と呼んだりします。

 以上、代表的な、よく聞くような、思いつくものをあげましたが、いろいろな呼び方があって難しそうかもしれませんが、まずは1つ手にして、そこから少しづつ周りの人の持っているものやお店めぐりしながら、自分のお気に入りを見つけていきましょう!


綸子は光沢があり、風呂敷に使われるような鬼縮緬とは一線を画すように思えますが、実は鬼縮緬だけでなく一越縮緬や襦袢に使われる綸子も本当は縮緬です。でも世間一般では縮緬といえばシボがあるもの、光沢があるものを綸子といいますので、そのように記載しています(厳密なことはいいですよね、ってことで。)ちなみに縮緬と対比して語られる生地が羽二重で、縮緬は強い撚りを掛けた生地、羽二重は撚りを掛けずに織った、ふっくらつやつやと光沢のある生地です。

(以下、帯のおさらい・詳細 他サイトから引用:http://www.ykya.co.jp/index.htm

「織か染か」
 呉服の用語で「織物」というのは、糸の段階で色を染めて織ったもので、「染物」というのは生地に後から色を染めた物を言います。そう言う意味で、「織物」を「先染め」、「染物」を「後染め」とも言います。
 織帯は染めた糸で織った帯。染帯は白生地に後で染めて柄をつけたものです。
 帯は圧倒的に織帯が多いので、他と区別して「染帯」という言葉が良く使われます。染帯は白生地に染め付けますので塩瀬や縮緬が多く使われています。また、紬の白生地に後染めした染帯もあります。
 さて、次は織り方や染め方がそのまま帯の名称として使われている例です。 「綴の帯」や「佐賀錦の帯」などは良く聞くところでしょう。これらは織の種類を指して言っています。「綴の帯」は綴という織の技法によって織られた帯で、「佐賀錦の帯」も佐賀錦という織物によってできている帯のことです。そのような織の技法や生地の名称、あるいは染の技法が帯の名称として用いられているということです。唐織、すくい、紹巴、紗、羅、友禅、ろうけつ、刺繍など、まだまだ書ききれないほどの種類があります。
 次に帯の生地が帯の名称とされる場合です。
 塩瀬の帯という名称は聞いた事があると思います。塩瀬というのは正確には塩瀬羽二重の略語ですが、塩瀬羽二重というのは厚地の羽二重生地のことを言います。塩瀬は染帯の代表的な生地です。塩瀬の生地に染めた帯を塩瀬の帯と言います。また、紬生地の帯を紬の帯とも言っています。
 西陣の帯、博多帯という言い方がありますが、これらは帯の産地を表しています。ご存知の通り、西陣は帯地の大生産地です。西陣という言葉はあくまでも生産地の名称であって品質を表すものではありません。もちろん西陣は帯の生産地としてプライドもあり、品質の保持には努力していますが、高級品も普及品も生産していますので西陣の帯が全て高級品という訳ではありません。
 帯の生産は西陣の他に博多、桐生などで行っています。また、最近は中国でも帯が生産されています。しかし、博多帯という言葉は一つの括りとして使われていますが桐生帯や中国帯という言い方はあまりしないようです。
 博多の帯は経畝織と呼ばれる特徴的な織り方をしますので、博多帯と言えば一つの範疇を形成しているようです。

 最後に「全通帯」「六通帯」という帯の名前について説明します。
 全通と言うのは、垂先から手まで全てに柄がある総柄の帯のことです。これに対して太鼓柄というのは太鼓と腹の部分だけに柄のある帯です。太鼓柄の帯は太鼓の真ん中に柄を出すのが難しいと思われた方も多いかもしれません。全通の場合は全てに柄がありますので、どのように締めても太鼓には柄が出る訳です。もっとも、総柄であってもどのように太鼓に柄を出すか工夫して締めます。
 もう一つ、六通という帯があります。六通の帯は、手の方から1尺の所から2尺5寸から3尺程度柄が抜けている帯です。中には手にも柄のないものもあります。他は柄が総付けになっていますので、帯を締めてしまえば全通と同じようになります。柄の抜けている部分は表に出ませんので、柄を省略しているわけです。より安価に合理的に帯を創ったのだと思います。

以上が帯の種類と名称について説明しましたが、他に「付け帯」という帯もあります。「付け帯」というのは帯を切って太鼓と胴に分けて簡単に締められるようにしたものです。帯はその性質の側面から様々な名称で呼ばれているということを覚えておいて下さい。


 呉服用語は時代と共にその意味が変る、名古屋帯はその良い例です。名古屋帯の名古屋というのは、その発祥の地名からきています。大正時代に服装改良運動というのが起こりました。服装と言うのは洋服ではなくきものの事で、もっと簡単にきものを着れるようにしようという運動だったろうと思います。その時、名古屋女学校の越原さんという人が簡単に締められる帯を発明しました。帯を締める時には胴の部分二つ折りにして胴に巻きつけます。袋帯を締める時の事を考えてみてください。胴の部分を二つに折りますね。越原さんは、予め胴の部分を折って縫い閉じて帯を折らずに締められるようにしたのです。「名古屋仕立」と呼ばれる仕立て方です。この「名古屋仕立て」という言葉も地方によっては「閉じ仕立て」とか他の名称で呼ぶこともあるようです。  結論から申し上げれば、現在名古屋帯の名称で呼ばれている帯、すなわち単太鼓で締める帯の主な仕立て方は胴を閉じる「名古屋仕立」と胴を閉じずに袋帯のように平たく仕立てる「開き仕立」があります。昔は仕立て方の特徴を名称として用いた「名古屋帯」ですが、現在では「名古屋仕立」でない帯も名古屋帯と称するようになった。その名前の変遷は越原さんの考案した名古屋仕立は、丸帯や袋帯ではできません。どちらも厚地の袷帯ですから折って縫い閉じることは困難ですし、保管も大変になります。従って名古屋仕立ができるのは現代で言う所の九寸か八寸帯に限られます。名古屋仕立が流行って九寸帯や八寸帯の仕立て方において名古屋仕立がメジャーになったのでしょう。いつしか九寸や八寸の帯が名古屋帯と称せられるようになり、それも本来の意味とは全く逆の開き仕立の帯さえも名古屋帯と称するようなったのではないかと思います。

 西陣の帯についてもう少しお話しましょう。
 西陣いう名称は1467年の応仁の乱の時に西軍の山名宗全が陣を張ったことに由来する事はご存知だと思います。実は西陣という地名は無く、住居表示もありません。京都のこの辺り、というような名称なのですが、織物の産地として広く名が知られています。織物の町になったのは応仁の乱より遥か昔の平安時代に織物職人が住んだ事に始まるらしいのですが、その伝統は現代に到るまで伝えられています。  西陣織と一口に言いますが、西陣織という特殊な織物がある訳では有りません。西陣で織られる織物は全て西陣織です。西陣帯というのも同じで、西陣で織られる帯は全て西陣帯と言って差し支えない訳です。西陣は帯の大生産地ですから、美術品と言えるような高級品から安価な普及品まで織っていますので、西陣帯というブランドが、その帯の品質、価格を表すものではないことは先に申し上げた通りです。 しかし、西陣では西陣織の品質を保持する為に西陣織工業組合という組合を組織しています。西陣で機を織っている機屋で組織している組合です。加盟している機屋の織った帯にはこのような証紙が貼ってあります。(写真3)金色の証紙は正絹、絹100%を表しています。ただし、これには付帯条項がありまして、「金糸、銀糸も正絹とみなす」ということになっています。西陣織では金糸、銀糸、金箔、銀箔を多用しますので、このような取り決めがなされています。
  さて、この証紙、左側の下に番号がついています。これは組合加盟の機屋番号です。組合に加盟している機屋には固有の番号が与えられ、証紙にはその番号を付ける事になっています。この番号は、その帯の出所を表すものですからこの部分をカットして流通する事も禁じられています。 機屋の番号は加盟順に付けられていますので番号が若い機屋は昔から組合に加盟している老舗ということなのでしょう。確かに若い番号の機屋は老舗が多く良い帯を創っていますが、それだけで良い帯かを判断することはできません。1000番台、2000番台の機屋さんでも創意工夫をこらして良い帯を織っている所もたくさんあります。 復織で有名な龍村美術織物という機屋は644番です。どちらにしましても、良い帯というのは、自分の目で見て判断される事が肝要かと思います。

                                                                                        • -


以上のテーマについて総合的に参考になると思うサイト.実際参考にさせていただいたサイトもあります。絵や写真があってより分かりやすいと思います。(検索しはじめたら上げきれなくなりました。。今は丁寧に説明してくださるサイトが沢山あるんですね。)

トータルで参考になりそうに思ったページ3つ
http://www.kimonoclub.info/

http://www.sgm.co.jp/kituke/06aeini/gara/

http://www.kanaiya.co.jp/mame/

着物の産地 http://www.ryuumu.co.jp/~suzu/santi.html
格の一覧表 http://www.geocities.co.jp/Milano/2323/kituke/kaku.html
用語集 http://www.nuistyle.com/swatches/terms.html
着物の名称(別ページに帯の解説も)http://www4.tokai.or.jp/yukikimonosaron/kimonosyurui/syurui.htm

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